fabo1996’s blog

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GOLDEN JIM

プロローグ

 

この世界には武器が存在する。

「金」、「権力」、「暴力」だって武器だ。

僕は永いあいだ「ペンとノート」が最強の武器だと思っていた

金や権力は「ペンとノート」を駆使していればいずれ手にはいると思っていた。

僕の名前の「夏目 拓也」(なつめ たくや)は町のみんなが知るほど優秀だった。

「ペンとノート」を駆使して大人に認められ他のやつらより自由を手にしていた

人生はこの武器をしっかり使いこなせば順調に進むと信じてた

あいつが来るまでは。

 

第1話 『なんなんだ!?あいつは!』

 

セミが鳴くのを諦めるほど暑い夏の頃

僕はいつも通り「ペンとノート」を持ち、同世代が集まる学校に来ていた。

僕は学校のなかで誰よりも武器をうまく扱い皆から憧れの的として生活している。

皆が自分のことを優秀な人間と崇める状況に僕は誇りをもっていた

武器を生かせない奴らは優秀なやつらの後ろについていき少しでも自分の価値をあげようと必死だった。

そんなやつらをみて僕は負け犬だなと鼻で笑った

他にも武器を放棄して騒ぎ、暴れ、まるで動物のようなやつらもいてそんなやつらをみて愉悦感に浸っていた。

これからの人生も「ペンとノート」を駆使して順調に進めれると信じていた。

そんないつも通りの日常に変化があった。

いや、今思うと変化という言葉では足りない

僕のなかでビックバンが起きたのであった。

 

「え〜、今日から転校生がきています」

先生が転校生の紹介を始め

周りは転校生がきてそわそわしているなか僕は興味ない顔をしていた。

「隣町から引っ越してきた筋田 優(きんだ ゆう)です。よろしく!」

転校生は自信に満ち溢れた表情で挨拶をした。

「そしたら夏目の隣に座ってくれ、彼は学校1の生徒だ 色々教わるといい。」

そう先生が言うと筋田は僕の隣に座った

「今日からよろしくな!」

笑顔で筋田は手を伸ばしてきた

僕は馴れ馴れしいなと嫌な顔をして握手をした。

 

しばらくすると筋田はクラスの人気者になっていた

あいつの周りではいつも笑顔が絶えなくてなんだか気に食わなかった

一ヶ月もすると筋田は学校中の人気者になっていた。

逆に僕の周りには人がいなくなっていた

「なにがそんなにいいのやら」嫉妬にも似てる強がりでそう呟いた

僕は筋田が気に入らなかった

あいつは「ペンとノート」なんて使えこなせないし何の武器があるのかもよく分からなかったから余計に気に入らなかった。

そのうちなぜ筋田が人気者なのか考えるようになった

僕の方が優秀なはずだし劣っているところはないはずという自信のせいで答えは出ずにいた。

ただ一つ

筋田には特徴があった

「ムキムキな筋肉」だった。

あいつの武器は「ムキムキな筋肉」なのか?

いや、そんなもの人生になんの役にも立たないはずだ、じゃあなぜだ?

僕は混乱していた。

そんな時筋田が声をかけてきた

「なぜそんな怖い顔をしてるんだ?もっと笑いなよ」と

ぼくは苛立った

「ぼくは筋田くんのように暇じゃない。君は将来についてもう少し考えて生きるべきだ」と言い返した。

筋田は驚いた顔でこう言った

「俺はとても幸せだ。なぜ幸せかというと筋肉を鍛えているからだ。鍛える事によって自信もつくし笑顔になれるからね」

 

意味が分からなかった

 

不思議そうな顔をしていると筋田は「君も筋肉を鍛えたくなったらきなよ」と言い残しその場を去っていった。

「誰が行くかよ」と呟いてぼくは「ペンとノート」を雑に持ちその場を去った

家に帰るまでの道中では、筋田の顔と言葉が頭から離れずイライラしていた

筋肉鍛えるだけのやつがうまくいくはずないと嫌悪感ににた自問自答をしながら家に帰った。

 

夏が過ぎ、青々しかった風景が少し赤みを帯びてきた頃

ぼくは以前と変わらず「ペンとノート」を握りしめていた。

変わったのは周りだった

周りの奴らは筋田に影響され筋肉を鍛えだしていた

ぼくはそんな状況をみてバカだなと笑うしかなかった

でも、筋肉を鍛えだした奴らが以前よりも明るくなり楽しそうにしているのが少し羨ましかった。

それでも筋田の元へは行かなかった

いや、行けなかった。

これまで「ペンとノート」だけを信じてきたからこそ、ここで筋田のところへ行ってしまったら今までの自分を裏切ってしまうんじゃないかという怖さがあった。

そんな時また筋田が話しかけてきた

「夏目の気持ちはわかるよ、でも一度でいいから筋肉鍛えてみようぜ」と求めていた事を言ってきた

しかしぼくはそれが悔しくて首を横に振った

筋田は少し呆れた表情で一枚のチラシをわたしてきた

「ここ。俺が筋肉鍛えてる場所 会員制だから他のやつ来ないしいいと思うよ」

そう言い残し筋田は立ち去った

ぼくはそんな態度の筋田にムカつきながらもチラシを持ち帰った

 

家についてもまだチラシを見なかった

チラシを見たのは次の日の朝だった

そこには目がチカチカするような色合いで店の名前が書いてあった

 

 

 

 

「ゴールデン、、、ジム?」

 

 

                                                                                                                    to be continued

 

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このシリーズは(@yume_ism)さんと共同で書かせてもらってます。